ユートピア文学賞について

ユートピア文学賞は、「文学によって幸福な人でいっぱいの社会、『ユートピア』を広げたい!」という趣旨で設立されました。

インターネットで何でもすぐに情報を入手できるようになった現代においては活字離れが進んでいますが、ときに励まし、ときに心癒やしてくれるのも、また人生を豊かにし、多くの知識を与え、新しい世界を経験させてくれるのも、やはり書物ではないでしょうか。

イギリスや日本の発展のもとになったサミュエル・スマイルズの『自助論』、幸福を引き寄せるための「幸福三説」が説かれた幸田露伴の『努力論』、明治維新の精神的支柱となった吉田松陰の『留魂録』など、時代を経てもなお残る名著と呼ばれるものは、哲学にしろ、文学にしろ、人を幸福にし、社会を繁栄させる力があります。

かつて十四、十五世紀、イタリアの地でルネッサンス文化が花開きましたが、そのさきがけとなったのはダンテの『神曲』、ボッカチオの『デカメロン』といった文学でした。このルネッサンスが古代ギリシア・ローマ文化の復興運動だったように、西洋文明はその後も西へと流れていきます。一方、四世紀頃に興ったインド古典文化は東洋文明として東へと流れていきました。そして、その東西の両文明が合流する地が日本です。

それゆえに私たちは、この日本こそ第二のルネッサンスが生まれるべき場所であると確信すると同時に、そのさきがけとなるのは、また文学でありたいとも願ってやみません。

そして、ユートピア文学賞は、その第二のルネッサンスをつくる作家たちの登竜門でありたいと殊に思います。日本だけでなく、世界をも幸せにする文化をつくりたいという志のある方々が多く、このユートピア文学賞から世界に羽ばたいていかれるよう祈念し、またそうした方々の作品に数多く出会えることを期待しています。

 

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