「教養の大陸」シリーズ発刊に際して

21世紀を迎えた現在にあっても、思想やイデオロギーに基づく世界の紛争は深刻化し、収まる気配を見せない。しかし我々は、歴史の風雪に耐え、時代や地域を超えて愛される真の古典においては、人類を結びつける普遍的な「真理」が示されていると信ずる。

その真理とは、光の天使ともいうべき歴史上の偉人、あるいはそれに準ずる人々が連綿と紡ぎだし、個人の人格を高め、国家を繁栄させ、文明を興隆させる力となるものである。

世間で一定の権威を認められている作品であっても、もしそれが人間の魂を高尚にせず、国家を没落させるものであれば、やがてその価値を剥奪され、古典ではなく歴史資料でしかなくなるだろう。

今、大切なことは、はるかに広がる学問の世界の大地、「教養の大陸」を認識することである。真理を含んだ古典は人をこの教養の大陸へと誘う。我々は、この意味における真の古典を厳選し、それを人類の知的遺産・精神的遺産として正しく後世に遺し、未来を担う青少年をはじめ、日本国民の魂の向上に資するため、真なる教養書として、ここに「教養の大陸」シリーズを発刊する。

 

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