【明治維新150周年】vol.4 吉田松陰

激誠の人・吉田松陰。高杉晋作や久坂玄瑞といった幕末の志士や、明治政府で総理大臣を務めた伊藤博文や山県有朋などの数多くの人材を松下村塾で育てたことから、「明治維新の源流」とも言われています。
松下村塾で教えていたのはわずかな期間でしたが、その間に多くの志士を育てた松陰の教育法とその原動力とは、いったいどのようなものだったのでしょうか。
vol.4では、松陰の霊言『一喝! 吉田松陰の霊言』(2010年刊)『吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る』(2014年刊)から、その秘密に迫ります。
 

「志を立てて以て万事の源と為す」

 
松陰が武士としてのあるべき姿や人間として生きるべき道を説いた「士規七則」というものがあります。これは、もともと、いとこである玉木彦介の元服を祝って贈られたものでしたが、のちに松下村塾の規範となりました。
このなかに「志を立てて以て万事の源と為す。(志を立てることを、人生すべての根本に置く。)」という言葉があります。この「志」こそ、松陰が多くの人材を育てる上で、一番大切にしていたポイントだったのです。
霊言では次のように語っています。

根本は、「志が、誠実で、真っすぐで、理想が、どれほど大きくて、真っ直であるか」ということだろうと思う。(中略)
自らを常に見つめ直し、そして、「真実、理想のために邁進する」という努力を忘れないことだ。(『一喝! 吉田松陰の霊言』133~134ページ)

松陰の「志」とは、侵略を目論む外国を打ち払い、神々のおわす日本を護るということでした。
松陰が「安政の大獄」で亡くなる直前に書き上げた「留魂録」には、「七たび生き返りつつ 夷(えびす)をぞ攘(はら)わんこころ 吾れ忘れめや」という和歌があります。「私は、楠木正成公のように七回生まれ変わっても、侵略してくる外国を打ち払うつもりである。その心を、私は生まれ変わっても決して忘れないであろう」という意味が込められたものです。
松陰はこの志を成就させるために生涯を捧げ、29歳の若さで刑場の露と消えました。自らの死でもって数多くの志士たちに決起をうながしたのです。
 
弟子のなかには、松陰の思想は過激すぎると反発していた人もいましたが、燃えるような使命感を持って命をも投げ捨てていく師の姿を見て情熱に火がつき、一気に倒幕運動が進んでいきました。
松陰の志とその生き方が、明治維新を実現に導いたと言えるでしょう。
 

人の長所を見出す教育方針

 
松陰が偉大な教育者として後世の人々からも尊敬される理由の一つは、その教育の根底に、「どのような人も素晴らしい才能や個性を持っている」という信念があったからとも言えます。
生前の書物にも、「人を疑ふに勝ること固(もと)より万々たり(人を信じることは、疑うことよりもはるかに勝るのは言うまでもない)」という言葉が残されています。松陰は『孟子』にある「性善説」を学んで、それを教育の指針にしていたのです。
 
松陰は1854年に、弟子の金子重之助と下田でペリーの船に乗り込み、渡米を試みるも失敗。その後、密航を企てたことを自首して萩の野山獄に入れられてしまいます。
その野山獄でも、松陰は罪人たちを相手に『孟子』の講義をするなど、獄中教育を行いました。さらに、自分が教えるだけでなく、書道のうまかった富永有隣という入牢者に野山獄のなかで書の指導者になってもらうなど、罪人であっても長所を見出して、互いに学び合う場をつくったのです。やがて看守まで参加し、松陰の講義を聴くようになりました。
 
天性の教育家である松陰は霊となった今でも、相手の善性を信じる精神が教育における重要な点だと、霊言で説いています。

「それぞれ短所・欠点・足らざるところはいっぱいあるだろうけれども、基本的に、人間には善なるものがあるのだ」ということを信じて、「その人の持っている最もいいところを発揮させていこう」という気持ちを常に持つことが、教育者にとっては大事だね。(『吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る』91ページ)

 

松陰が説いた国防と愛国心の大切さ

 
vol.1 日本が世界に誇る偉業(1)では、明治維新が起きたきっかけは国防問題だったと、大川隆法総裁の著書をもとに述べましたが、松陰もいち早く、日本が置かれている国防の危機を理解していた一人です。
松陰は21歳のとき、見聞を広げるために九州遊学に行っています。そのときにアヘン戦争に関する書物を読み、欧米によるアジア侵攻の実情を詳しく知り、その残酷さに驚愕するとともに、日本防衛の必要性を強く感じたそうです。
ペリーの船に乗り込んだのも、「西洋の技術を学んで取り入れなければ、このままでは日本が危ない」という愛国心があったからでした。
 
生前の松陰が著した『幽囚録』には、このような言葉が遺されています。
「涓埃(けんあい)、国を益することあらば、敢えて身後の賓(ひん)を望まんや。(わずかなりとも、この国のためになることができれば満足である。どうして死後の名誉など望むことがあろうか。)」
 
己の身をかえりみず、一途に日本の未来を考えて行動を起こした松陰は、天上界に還ってからも、その信念を曲げることはありませんでした。
霊言では、愛国心に溢れたメッセージを現代の私たちへ伝えています。

人柱の一人になるつもりで、この命を、この国民に捧げたのである。だから、私は、われわれが命を捧げてつくった、この日本という国が、世界のために役に立つような立派な国になってほしいと、心から願っている者である。(『一喝! 吉田松陰の霊言』107ページ)

松陰の霊言は、読む人を奮い立たせるような厳かな気迫がありますが、多くの人々のために時代を切り拓こうとした情熱と慈愛にも満ちてます。
『一喝! 吉田松陰の霊言』と『吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る』の2書を通して、厳しさのなかに流れる松陰の深い愛を、ぜひ感じてみてください。
 
※生前の書物からの抜粋と現代語訳は『吉田松陰 奇跡の古今名言 100』『わかりやすく読む「留魂録」』(大川咲也加 著)を参考にしました。
 

『一喝! 吉田松陰の霊言』
一喝! 吉田松陰の霊言

大川隆法 著
発刊日:2010年4月7日
定価:1,296円(税込)


目次
○リーダーを輩出するための心構え
○まず問うべきは指導者の精神性である
○真剣勝負で戦い、大義を成就せよ
○「威」というものを鍛え上げるには
○吉田松陰の二十九年の人生が示すもの
ほか


 

吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る
吉田松陰「現代の教育論・人材論」を語る

大川隆法 著
発刊日:2014年12月2日
定価:1,620円(税込)


目次
○「学問と教育の本質」について語る
○松下村塾から多くの人材が育ったのはなぜか
○一流の人材になるための条件
○人材教育の本道とは
○日本人は、もっと誇り高く生きよ
ほか


 
vol.1 日本が世界に誇る偉業(1)
vol.2 日本が世界に誇る偉業(2)
vol.3 坂本龍馬
vol.4 吉田松陰

 

霊言とは?

「霊言」とは、あの世の霊を招き、その思いや言葉を語り下ろす神秘現象のことです。これは高度な悟りを開いている人にのみ可能なものであり、トランス状態になって意識を失い、霊が一方的にしゃべる「霊媒現象」とは異なります。また、生きている人間の守護霊の霊言は、いわば、本人の潜在意識にアクセスしたもので、その内容は、その人が潜在意識で考えていること(本心)になります。幸福の科学グループ創始者・大川隆法総裁は、数多くの霊を呼び出して、その言葉を伝えています。書籍化された公開霊言は460冊を超え、海外にも読者が広まっています。

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