【虎雄の堪忍袋】第5回 「朝日新聞が噓つくんですか!?」の巻(3)

心に響く虎雄の雄叫び

 

最高裁判決にイチャモンをつける朝日新聞の社説

「沖縄集団自決冤罪(えんざい)訴訟」は、大江健三郎氏が著書『沖縄ノート』(岩波書店)で、沖縄戦において座間味島(ざまみじま)の梅澤裕隊長と渡嘉敷島(とかしきじま)の赤松嘉次隊長が、それぞれ住民に自決を命じたという認識から、両隊長に対して「罪の巨魁(きょかい)」「ペテン」「戦争犯罪者」「屠殺者」「アイヒマン」のような人格否定の表現をとり、それが名誉棄損に当たると赤松氏御本人と梅澤氏の弟さんが、大江健三郎氏と岩波書店を訴えたものです。

裁判そのものは、大阪地裁、大阪高裁そして最高裁で争われ、原告側は敗訴。すなわち名誉棄損には当たらないとされました。

しかし、「軍命による集団自決」に関しては大阪地裁判決(2008年3月)は、
「本件各書籍に記載されたとおりの自決命令それ自体まで認定することには躊躇を禁じ得ない」
大阪高裁判決(2008年10月)は、
「控訴人梅澤及び赤松大尉自身が直接住民に対して自決命令を出したという事実を断定することはできず、証明できない」
さらに最高裁判決(2011年4月)も、
「真実性の証明があるとはいえない」
としています。そして、この判決文の内容の影響で児童生徒が使う我が国の教科書から、
「島民たちが『軍命』によって自決に追い込まれた」
との記載が一切なくなったのです。

朝日新聞の社説はそれに対する「イチャモン」でした。

 

女性教員と朝日新聞との電話でのやり取り

さて、学校における女性教員とのやり取りは続きます。
放課後の職員室、多くの職員がいる中でその教員は、教頭席に近い外線通話のできる電話器を用いて朝日新聞社の読者対応係に電話しました。以下、再現。

教員「○○県立××高校の教員ですが、朝日新聞はウソを書くんですか?」

(私の心のつぶやき:「書くんだよ! 今までも従軍慰安婦とか南京大虐殺とか、社を挙げてウソついているんだよ!」)

教員「6月25日の沖縄戦に関する社説です。それについてうちの学校の教頭が“ウソを書いている”と言ってるんです。朝日はウソつくんですか!?」(ほとんど絶叫調)

周囲の教員たちは驚く様子もなく、黙々と仕事をしています。
おそらく私が席を外している時に、周りに聞こえるように事の次第と今後の行動を話していたんだろうと感じました。ややあきれた表情の者もいましたが、それはその教員にか、それとも“右翼教頭”にか?

 

朝日新聞には言いたいことがたくさんある

電話は続きます。

教員「社説を生徒の教材で使ったら、ウソが書いてあるから生徒に渡すなと、教材を隠されたんですよ!教育権の侵害と言論弾圧じゃないですか!」

(私の心のつぶやき2:「あ~っ!問題化しようとしている。朝日に大きく取り上げてほしいんだ。それは望むところだ!朝日には言いたいこといっぱいあるぞ。……だけど、こんな程度のこと、取り上げないだろうな」)

朝日新聞の応対者の様子は分かりませんが、教員は聞き役に回っています。そして、相変わらず興奮気味に、

教員「今ここに教頭がいますから、電話を替わります!」

電話に出ろとばかりに、私をにらみつけて受話器をこちらに向けてきました。

「先生! 同じ学校で朝日新聞に、それぞれの言い分を聞いてもらうみたいでみっともないです! 私は後で別途電話しますから」

教員「あとで教頭が電話すると言っていますから、ウソかどうかはっきり言ってください」(キーッ!!!……彼女の心の雄叫び〔想像〕)

 

虎雄の電話抗議

だいたいこのような感じで電話は終わりました。その教員は、
「本当に電話してくださいよ!」
と念を押します。
「しますよ。私もこの社説を見て抗議しなければと思っていました。それに、以前にも何回か抗議電話してるんです」
と言って、私は話を打ち切りました。

その後、私は朝日新聞社の読者対応窓口に電話し、先ほどの高校の教頭であることと氏名を名乗り、社説に対して抗議しました。

「集団自決冤罪訴訟の判決文をご存知ですか?」

朝日「知ってます」

「ならばその中で、軍命による集団自決があったことは証明できないとしているのに、なぜあんな内容の社説を載せるんですか。不勉強、不見識も甚だしい」

朝日「社説を書いた者に伝えます」

「そんな社説を、朝日新聞のブランド名からか、教材にすることだって十分あり得るんです。高校生もそれで小論文の勉強をします。その影響を考えた時に、歴史的な問題は史実に基づくべきだし、意見の分かれるものは、主張は主張として両論載せてくださいよ。今回の場合、最高裁も証拠がないとしているものを『軍命あり』というように読める表記をすることは、教育上悪影響を及ぼしますよ」

朝日「気を付けるように担当に伝えます」

朝日の、というかメディアの「苦情」対応はこんなものです。
言うだけ言わせて、ガス抜きして、いなして終わり。私も、“ぬかに釘”を承知しているので電話を終えました。

この出来事があり、さらにその後、沖縄修学旅行を引率したとき、生徒たちに自虐史観を一方的に植えこむような反日的な偏向解説をする現地ガイドに直面したこともあって、拙著『反日日本人は修学旅行でつくられる』を書かせていただく動機となったのです。

【虎雄の堪忍袋】第3回 「朝日新聞が嘘つくんですか!?」の巻(3)

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著者 森虎雄(もり・とらお)

1956年、東京都生まれ。ベテラン日本史専攻高校教師。公立高校の教諭、教頭、校長等を歴任。上智大学文学部史学科卒業。明星大学大学院人文学部研究科教育学専攻修士課程修了(高橋史朗ゼミ)。趣味、料理。著書に『反日日本人は修学旅行でつくられる』(幸福の科学出版)。