【虎雄の堪忍袋】第4回 「朝日新聞が噓つくんですか!?」の巻(2)

血相を変えてきた女性国語教員

 

その教員は共産党系の組合員だった

朝日新聞の社説を用いて小論文を課題とする教員を、私は教頭として問題視しました。その社説は、沖縄戦を題材に、「軍命による集団自決を否定する歴史教科書検定を批判する」という内容だったのです。新聞記事を教材として利用すること自体はよくありますが、沖縄修学旅行を控えた「平和教育」の事前学習として、朝日新聞の一方的な主張を生徒に提示することに中立性と客観性から「問題あり」と私は判断しました。

その教材を2学年の生徒に配布した教員は、50代前半の“全教”所属の女性国語教員でした。全教とは、全日本教職員組合の略称で、日本共産党系の組合です。

 

「検閲だ! 権利侵害だ! 屈辱だ!」とまくしたてる

授業の空き時間にその教員と私は小会議室で話し合いをすることになりました。
私は、最高裁で、「大江健三郎が『沖縄ノート』(岩波書店)で二人の隊長(赤松嘉次大尉と梅澤裕元少佐)を罵ったことは名誉棄損には当たらない」という判決が出たこと、ただし住民に自決せよとの「軍命」を出したことは証明できないと判断されたことを伝えました。
「ですから、この社説の内容が教材としては不適切であると判断し、それを預かったのです」
と説明しました。

するとその教員は、血相を変えて、
「朝日の記事だから、文句があるならば朝日に言ってください」
と言いました。さらに、
「検閲だ」
「私の教育する権利を侵すのか」
「こんな屈辱は初めて受けた」
「歴史観を押し付けるな」
「誰でも目にする新聞を教材にしてどこが悪い」
「教材を教頭が隠すのはおかしい」
などとまくしたてました。

 

争点を整理して、次なるステップへ

私はその場で以下の5点を挙げ、問題点を説明しました。
(1) 集団自決の軍命は証拠がないとされているにもかかわらず、朝日の社説はそれを無視している。
(2) 従って、その内容を教材として生徒に配ることは考え直してもらいたい。
(3) 日本軍が住民を守らず、むしろ命をうばう側に回ったような表現も問題である。
(4) 教材を預かったのは生徒に行き渡ることを避けたかったからである。
(5) たまたま新聞で目にするのはやむをえないが、あえて問題のある内容を教材とすることはふさわしくない。

女性教員は私が話す間、終始興奮気味でした。話し合いは平行線をたどったままですが、教員からの提案もあり以下の3点で妥結しました。
(1) 教頭(つまり私です)が朝日新聞に抗議の電話をする。 
(2) 教頭(やはり私です)が社説の内容について、生徒向けに説明した文書を教材に添付する。
(3) 当該教員(この国語の教員のことです)がことの顚末を朝日新聞に報告する。

ところが、その日の放課後、その教員が職員室で……つづきは次回のお楽しみ~!

【虎雄の堪忍袋】第3回 「朝日新聞が嘘つくんですか!?」の巻(2)

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著者 森虎雄(もり・とらお)

1956年、東京都生まれ。ベテラン日本史専攻高校教師。公立高校の教諭、教頭、校長等を歴任。上智大学文学部史学科卒業。明星大学大学院人文学部研究科教育学専攻修士課程修了(高橋史朗ゼミ)。趣味、料理。著書に『反日日本人は修学旅行でつくられる』(幸福の科学出版)。

『反日日本人は修学旅行でつくられる』

『反日日本人は修学旅行でつくられる』

森 虎雄

第1章 元左翼教師、告発す
第2章 こういう授業を受けたかった
    ──あるべき真の平和教育とは 紙上再現授業「沖縄から平和を考える」
第3章 生徒を自虐史観に染め上げる修学旅行の実態
第4章 公立学校を取り巻く反日教育
第5章 国難のとき、教師が教えるべきこと

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