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【虎雄の堪忍袋】第2回 夏の沖縄訪問 ― 「普天間第二小学校の警備員さんに怒られた!」の巻(2)
「普天間基地は要ると思うよ」と地元のホンネ
不法侵入!?
「ダメだよ! 勝手に入っちゃ」
と硬い表情で、普天間第二小学校の警備員は私をにらみました。
私はお詫びをして自分が教育関係者であることを伝えましたが、
「教育関係者が不法侵入しちゃダメじゃないか」
と言われてしまいました。
同行した知人は警備員さんに世間話をしてとりなし、すこし雰囲気を和らげてくれました。
そこで私も「ずいぶん立派な校舎ですね」と警備員さんに話しかけますと、警備員さんは、
「すべての教室から体育館まで防音の二重窓で、エアコンが完備されている」
「校舎は20年毎くらいで建て替えられている」
などと話してくれました。
3,000億円の沖縄振興予算のお蔭でね…
「20年で建て替えですか? 私の勤務する県では40年経っても、建て替えは行われませんよ」と言うと、
「えーっ、本土はそうなんですか」
と逆に驚いていました。警備員さんは、
「沖縄振興予算のお蔭なんですね」と言いました。
「沖縄振興予算」とは、政府から沖縄県に対して、基地負担の見返りとして支給される年間3,000億円以上の補助金です。これで「箱もの」を建てて地元が潤っているのです。
沖縄の新聞が「基地反対」と書いている
私は、「沖縄の人はみんな基地に反対ですか? 普天間の辺野古移設に反対ですか?」と尋ねました。すると、
「そんなことはない、反対ではない人も少なくない。自分の親戚も普天間に軍用地を持っていて収入にしているし、沖縄の安全を考えても必要だと思う。すぐに移設になると困るけれど」
と言います。
さらに、
「でも、報道を見ているとみんなが反対しているように見えますよ」
と言うと、
「沖縄の新聞がそのように書くからだ。基地のお蔭で生活している人も多いし、基地があるために沖縄はガソリン税などが軽減されている」
と話してくれました。
この警備員さんは元沖縄県庁の職員さんで、今の翁長県政のあり方は快く思っていないとのことでした。私は怒られながらも地元の方の貴重なご意見をうかがえて有意義な旅となりました。
後日、修学旅行に行く当時の2年生全員に、私はこの警備員さんのお話を一つの意見として紹介したのです。

著者 森虎雄(もり・とらお)
1956年、東京都生まれ。ベテラン日本史専攻高校教師。公立高校の教諭、教頭、校長等を歴任。上智大学文学部史学科卒業。明星大学大学院人文学部研究科教育学専攻修士課程修了(高橋史朗ゼミ)。趣味、料理。著書に『反日日本人は修学旅行でつくられる』(幸福の科学出版)。
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『反日日本人は修学旅行でつくられる』
森 虎雄
第1章 元左翼教師、告発す
第2章 こういう授業を受けたかった
――あるべき真の平和教育とは 紙上再現授業「沖縄から平和を考える」
第3章 生徒を自虐史観に染め上げる修学旅行の実態
第4章 公立学校を取り巻く反日教育
第5章 国難のとき、教師が教えるべきこと
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